クトゥルフ神話TRPGの初めてのキーパー、初セッションにどんなシナリオを選んでいいか迷いますよね。
この記事では社会人になってから毎月のようにクトゥルフ神話TRPGを遊んでいる筆者が、キーパー難易度の低い簡単なシナリオを独断と偏見でまとめました。
これからクトゥルフ神話TRPGを始める方、キーパーを初めて担当する方の参考になればと思います。
また、そもそもクトゥルフ神話TRPGをよく知らない方へ向けて、初心者向けにクトゥルフ神話の概要と遊び方を解説した記事も書いていますので興味があればご覧ください。
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クトゥルフ神話TRPGの遊び方・始め方【未経験・初心者向け】
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なお、この記事は初心者の方におすすめできそうなシナリオに筆者が出会うたびに逐一更新しています。
目次
初心者キーパーが選ぶのにオススメなシナリオの特徴
初心者キーパーには以下の特徴を持つシナリオがオススメです。
- 所要時間が長すぎない
- クローズド
- NPCの数が0-2人程度のもの
- リプレイ動画があるもの
これらの特徴については以下の記事で掘り下げて語っています。詳細に興味がある方はご覧ください。
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【クトゥルフ神話TRPG】初心者キーパー向けシナリオの4つの特徴
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この記事でも上記の基準に従ってシナリオを選んでみました。
それでは次の節からシナリオの紹介になります。
オススメシナリオ1： 毒入りスープ
| シナリオ名 | 毒入りスープ |
| シナリオ作者 | 泥紳士様 |
| 推奨人数 | 1人〜3人 |
| 所要時間 | 3〜4時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | 1人 |
【あらすじ】
探索者はある日の夜、
目を覚ますと正方形の部屋に
閉じ込められていました。
その真ん中には、
机の上に乗った真っ赤なスープが一つ
ぽつんと置かれています。
そして椅子の上にはこの部屋の地図と、
毒入りスープを飲め、という警告文。
毒入りスープ シナリオ本文より
毒入りスープはクトゥルフ神話TRPGのシナリオで1、2を争うほど有名なシナリオです（管理人の主観ですが）。
目覚めたらいきなり真っ赤なスープと「毒入りスープを飲め」という警告文が目の前にある、という異様な状況。序盤からホラー感全開です。
シナリオ開始直後の光景（ニコニ・コモンズ - nc170122 より）
プレイヤー視点では適度な難易度の探索・謎解き要素、そして1歩間違うと到底叶わない敵と対峙するハメになる緊張感（場合によっては戦闘も）...とこのシナリオはクトゥルフ神話TRPGの探索者（プレイヤー）をする上で基本的な要素の全部入りパックになっています。
また、キーパー視点では上記の内容に加えて、特殊なNPCのおかげでNPCのロールプレイにキーパーの脳みそが割かれすぎないようになっていたり、動画サイトでも数多くのリプレイ動画がアップされていたりと、初心者キーパーでも準備しやすく回しやすいシナリオです。
プレイヤー・キーパーともに入門にぴったりなシナリオのため1番はじめに持ってきました。実際に管理人が初めて友人と遊んだのもこのシナリオです。
オススメシナリオ2： 観光バス
| シナリオ名 | 観光バス |
| シナリオ作者 | B様 |
| 推奨人数 | 2人〜5人 |
| 所要時間 | 1〜2時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | 数人 |
あらすじ
観光ツアーの帰り道、探索者たちを乗せたバスが東京と千葉を繋ぐアクアラインを通っている。
突然鳴り響く緊急地震速報の直後、大きな地震で探索者たちを乗せたバスはトンネルの中で立ち往生。
探索者たちは無事に家に帰ることができるだろうか。
観光バスも短時間でさくっとクトゥルフに入門するのに丁度良いボリュームのシナリオです。
現実に存在するアクアライン・海ほたるが舞台なので、特に関東圏の人は身近な場所を舞台に探索が楽しめるかもしれません。
海ほたる より引用
プレイヤー視点では、戦闘になる可能性が高いシナリオなので戦闘をしてみたい人にはもってこいなシナリオとも言えます。
探索のしかた次第では、このクトゥルフ神話の名前になっている神様に出会えるかもしれません（その場合は戦闘もクソもありませんが...）。
キーパー視点では、1箇所だけある分岐点と戦闘ルールを頭に入れておけば問題なく進行できると思います。
NPCの数を「数人」と書きましたが、そのほとんどは1度会話するだけのNPCです。探索者と深く関わるNPCは1人だけなので、ロールプレイ面も心配はいらないかと思います。
オススメシナリオ3： 悪霊の家
| シナリオ名 | 悪霊の家 |
| シナリオ作者 | 旧版公式ルルブ（p.295〜） ※ ルルブの旧版・新版については記事終盤で解説します |
| 推奨人数 | 2人〜4人程度 |
| 所要時間 | 2〜3時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | 1人（後半のみ遊ぶ場合） |
あらすじ
探索者のもとにとある屋敷の調査依頼が舞い込んだ。家主曰く、その家は燃える目をした化け物が出る、 悪霊に取り憑かれた屋敷なのだそうだ。
探索者は怪奇の原因を突き止めることができるだろうか。そして無事に屋敷を出られるだろうか。
「悪霊の家」も多くの人に遊ばれているシナリオで、公式ルルブ（旧版）曰く世界でも「いちばん多くの人たちにプレイされたシナリオ」なんだそうです。
シナリオ構成としては前半がシティシナリオ（屋敷に関する情報収集パート）・後半がクローズドシナリオ（屋敷の探索パート）になっています。
シティ要素が含まれる分キーパーの負担が少し大きいと思い難易度を星3つにしています。
おいおい、初心者はクローズドがオススメじゃなかったのかよという声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。
実はこのシナリオ、前半のシティシナリオ部分を丸々カットして後半のクローズド部分のみプレイすることも可能です。
実際、多くのリプレイ動画でも「依頼を受けて直接屋敷に調査に向かった」というていで、情報収集をすっ飛ばしてプレイしている方も多いです。
自信のない方は後半のみ、シティに挑戦したい方は前半も含めて遊んでみてはいかがでしょうか。
オススメシナリオ4： 行きはよいよい
| シナリオ名 | 行きはよいよい |
| シナリオ作者 | ひまじん(ぴりー)様 |
| 推奨人数 | 2人〜4人程度 |
| 所要時間 | 2〜4時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | なし |
あらすじ
山登りに来ていたところ、遭難してしまった探索者たち。空腹、疲労、眠気などが重なり、限界がきた彼らはいつしか眠ってしまう。
目覚めるとそこは見知らぬ部屋。探索の中で見つかる「3枚のお札」を頼りに探索者たちは見知らぬ部屋からの脱出を目指す。
シンプルな一本道のシナリオのため、プレーヤー側は迷いなく探索できると思います。
キーパー視点でもが把握するべき情報が少なく、初心者キーパーだけど回せる自信がない...という人にうってつけです。
シナリオページに書いてある通りこのシナリオはSANチェック時の減少値が大きいので、プレイヤー側も初心者だらけの場合は数値を事前に少なめに調整した上で臨むといいかもしれません。
探索のしかたによっては、おそらくクトゥルフ神話TRPGで最も人気があるとある神様に会える可能性があります。
会えたら会えたで探索者の正気が保たれたまま生還できる可能性は少ないでしょうが、それもクトゥルフ神話TRPGの醍醐味の1つ。
もしそうなったら容赦無く特大SANチェックをお見舞いしましょう。
探索者たちは阿鼻叫喚！ きっと盛り上がりますよ。
オススメシナリオ5： 知を孕む母よ
| シナリオ名 | 知を孕む母よ |
| シナリオ作者 | ごんずい様 |
| 推奨人数 | 2人 |
| 所要時間 | 3〜4時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | 探索者と主に関わるのは1人（1匹？） |
あらすじ
探索者たちは見知らぬ部屋の手術台の上で目を覚ます。どうしてこうなったのか、その経緯を思い出すことはできない。
ぐるぐる考えながら体を起こすと、妙な違和感を覚える。頭が、異様に軽いのだ。
不気味な手術室、そこに横たえられてナンバーを振られた自分、そして頭の違和感。
それらを結びつけ、嫌でもひとつの考えに辿りつく。
頭になにかされてしまったのだ、と。
まるで脱出ゲームのような感覚で、探索でしっかり情報・アイテムを集めてクライマックスで1戦闘をしてクリアというシンプルな流れのシナリオです。
キーパー側もプレイヤー側も毒入りスープと同程度の難易度かなと思います。
また、作者のごんずいさんがシナリオ説明文に書いている通り「動物と触れ合いたい方向け」のシナリオでもあります。
重要NPCがとある動物なので、キーパーはほっこりしたロールプレイができて楽しいですよ。
オススメシナリオ６：絶望の孤島
| シナリオ名 | 絶望の孤島 |
| シナリオ作者 | コウノスケ様 |
| 推奨人数 | 2〜4人 |
| 所要時間 | 2〜4時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | 1人（人ではないが...） |
【あらすじ】
旅行のため、沖縄へフェリーで向かっていた探索者たち。しかし、突然の嵐に見まわれ船は転覆してしまう。探索者たちが目を覚ますと、そこは岩礁地帯に挟まれた、せまい砂浜だった。
砂浜からは森が見えており、砂浜から森へ変わる境目の草地に、粗末な掘っ立て小屋のようなものが建っているのが見えた。
絶望の孤島 シナリオ本文より
孤島に流れ着いた探索者たちが、脱出するために島内を探索する超初心者向けシナリオ。
簡単な探索と戦闘があり、短時間で終わるため始めたばかりの初心者が遊ぶのにうってつけ。
謎解き要素はほとんどないので、「難しい謎解きのあるシナリオよりもロールプレイを楽しみたい！」という方にもおすすめです。
シナリオ製作者のコウノスケさんも初心者キーパーに配慮して、かなり多くの注記を入れてくれています。
このシナリオをどのように回すとよいかというキーパリングのコツが多く書かれているので、初めてのキーパーでも安心して楽しめるでしょう。
YouTubeに実際のプレイ動画も上がっているので、キーパリングの参考にできる点でも初心者にGoodです！
オススメシナリオ７： リボルバー
| シナリオ名 | リボルバー |
| シナリオ作者 | シャイ様 |
| 推奨人数 | 3〜5人 |
| 所要時間 | 3〜5時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | 1人 |
【あらすじ】
探索者達は大きな爆発音と共に同時に意識を取り戻します。そして、冷たいコンクリートに横たわっていることに気づきます。
そこは見知らぬ空間であり、探索者はどうしてそこにいるのか、どうしても思い出すことはありません。
最後に思い出されるのは、それぞれの日常生活、いつものように寝床に着いた記憶だけです。
リボルバー シナリオ本文より
謎解きありのシナリオをプレイしたいならこのシナリオがおすすめ。
その名の通り「リボルバー」が出てくるのですが、この銃を使った謎解きギミックが非常におもしろいです。
プレイヤー視点では謎が分かった時に「そういうことか！」とカタルシスを得ることができるでしょう。
キーパー視点では言わずもがな、探索者たちがうんうん悩むところをニヤニヤ見ることができて楽しいです。
出てくるNPCのうち探索者とのコミュニケーションが必要なのは1人だけなので、初心者キーパーとしてはロールプレイの心配がいりません。
場合によっては戦闘があるのですが、ここもリボルバーの仕掛けによって楽に回せるよう工夫がなされています。
オススメシナリオ８： この病院は渇いている
| シナリオ名 | この病院は渇いている |
| シナリオ作者 | アカシック13（p.14〜） |
| 推奨人数 | 3〜5人 |
| 所要時間 | 2〜3時間程度（オフライン） |
| キーパー難易度 | |
| プレイヤー難易度 | |
| NPC | 0人 |
【あらすじ】
必要性にかられてか、仕事のためか、はたまた好奇心に引かれてか。
探索者たちはずいぶんと長い間放置されていた川喜田病院へと足を踏み入れることとなる。
こちらのシナリオは筆者がボードゲームカフェを訪れて、店員さんにキーパーをしてもらって人生で初めてクトゥルフ神話TRPGをやった時に遊んだシナリオです。
「アカシック13」という公式のシナリオブックの中に掲載されています。
シナリオ傾向は廃病院を舞台にした非常にオーソドックスなクローズドシナリオです。
上記で紹介した「悪霊の家」と似たような形で、病院を探索し最後に戦闘という流れで、クトゥルフの面白い部分を短時間でコンパクトに楽しむことができるので、初めてのプレイヤーがいる場合などにおすすめできます。
悪霊の家に似ていると書きましたが、正確に書くと「悪霊の家＋特殊ギミック」というかんじです。
プレイしてからしばらく経ちますが、シンプルなシナリオながら特殊ギミックのおかげでハラハラすることができて、非常に楽しかったのを今でも覚えています。
キーパーとしても、特殊ギミックの部分以外は、プレイヤーが調べると宣言した場所の描写を読み上げていくだけで回せてしまうので、初心者キーパー用のシナリオでもあると思います。
特殊ギミックの詳細はお楽しみのためにここでは言いませんが、僕がプレイした際にはギミックの影響でプレイヤーキャラクター同士が殴り合いに発展したりと、かなり面白い展開になりました（笑）
ルルブを用意するのを忘れずに
最後に、キーパーをする際はクトゥルフ神話TRPGの基本的なルールがまとめられているルールブック（略してルルブ）を手元に置いておきましょう。
リプレイ動画を見てなんとなくルールを把握している人でも、実際にキーパーとしてセッションを進めていく中で細かいルールがわからなくなることがよくあります。
そんな時、ルルブが手元にないとルールが曖昧なまま進んでしまって矛盾が生じ、場がしらけてしまう場合もあります。
ルルブは値段が高めなので、参加者全員が持つ...となるとハードルが高いです。
もちろん全員持っているに越したことはありませんが、メンバーで少なくとも1冊は持っておくといいでしょう。
ルルブを用意するとき、クトゥルフ神話TRPGのルールブックとして新版（第7版）と旧版（第6版）の2冊が存在していて混乱するかもしれません。
どちらを購入してもクトゥルフ神話TRPGを遊べることに変わりはありませんが、「新」クトゥルフ神話TRPGルールブック（以下、新版）の方が現代に合わせて情報が更新されており、今後新版ルールがスタンダードになっていくと思います。
これから始める方は、特にこだわりがなければ新版を選ぶのがオススメです。
※ ただし、この記事の中で紹介した「悪霊の家」のシナリオは以下の旧版ルルブに掲載されています。ご注意ください
どちらのルールブックを用意するべきか迷っている人は以下の記事を参考にしてみてください。
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【CoC】6版・7版どちらのルルブを買うべき？ 違いを徹底比較
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おわりに
以上、この記事では管理人が完全に主観で選んだ初心者キーパー向けシナリオを紹介しました。
今後遊んだシナリオでより初心者向けのものがあればここに追記していく予定です。
いろいろ紹介しましたが、個人的に初めてクトゥルフ神話TRPGを遊ぶ際に最もオススメできるのは「毒入りスープ」です。
皆さんがお気に入りのシナリオを見つけて、無事最初のセッションを完遂できることを願っています。
なお、当ブログでは初心者向けでないシナリオを含めた、実際にプレイしておもしろかったおすすめシナリオの紹介記事も書いています。
よろしければご覧ください。
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